カードローン利用者の5つのタイプとは?
株式会社NTTデータ経営研究所によると、カードローンの利用者と利用経験者にアンケートを実施し、その調査結果をもとに分析を行った結果、カードローン利用者は借り入れのスタイルによって下記の5つのタイプに分類されることが明らかになったそうです。
「生活維持借入タイプ」
「一時借入タイプ」
「趣味・娯楽タイプ」
「多重借入タイプ」
「小額借入タイプ」
調査結果をもう少し詳しく見てみましょう。
「生活維持借入タイプ(構成比:36.5%)」
- 収入が減ったこともあり、生活を維持するために数社から比較的多額の借入れを行っているが、きちんと返済している。
- 30代の既婚女性で、家族構成は、夫と子供。
- 収入は不安定で、貯蓄比率も低いが、持ち家比率は高い。
全体の4割近くを占め、もっとも多いのがこのタイプなのだそうです。
確かに必要な生活費が不足した際にキャッシングして補うというこのタイプが現在はもっとも多いように感じます。
この調査では30代既婚女性などと言い切っているのが面白いところですが、もちろんそれ以外の人たちもたくさんいるはずです。最も多いのが30代の既婚女性ということなのでしょう。
「一時借入タイプ(構成比:19.7%)」
- ショッピングやレジャーのために、1社から比較的多額の金額を一時的に借入れている。
- 30~40代の既婚女性で、家族構成は、夫と子供。
- 収入は安定しており、貯蓄比率・持ち家比率とも高い。
全体の約2割を占めるのがこのタイプ。ショッピングやレジャーといった、生活費ではない支出のために一時的にキャッシングするというタイプのようです。
収入は安定していて貯蓄比率・持ち家比率とも高いとありますから、それほど生活に困っている感じでもなさそうです。
魅力的な商品やレジャーを見つけたけど、たまたま手元に現金がなかったのでキャッシングした、という感じでしょうか。なんとなく、派手めの生活を楽しむタイプの人がイメージされます。
「多重借入タイプ(構成比:21.8%)」
- 他の借入金を返すために、5社以上からかなり高額の借入れを行っている。
- 計画を立てておらず、返済は滞りがちで1ヶ月以上滞納したこともある。
- 40代男性で相対的に結婚していない人が多い。
- 収入は安定しているものの低く、貯蓄比率・持ち家比率ともに低い。
全体の約2割がこのタイプなのだそう。40代男性が多いとありますが、20代のころに作った借金をずっと引きずっている可能性が高いように思います。
法整備がなされ、以前に比べて借りれる額が格段に低くなり多重債務に陥る危険が低くなりましたから、今後このタイプはどんどん減っていくことになるでしょう。
「趣味・娯楽タイプ(構成比:15.8%)」
- 複数の借入先から自身の趣味や遊興費のために、比較的多額の金額を借入れているが、滞納等はない。
- 40代の既婚男性で、共働きの妻と子供がいる。
- 社会的なステータスが高く、収入も安定しており、貯蓄比率・持ち家比率も高い。
全体の約15%がこのタイプ。共働きで家計には余裕がありそうですが、趣味・娯楽にもお金をかけるタイプなのでしょう。
社会的なステータスも高いとありますから、きっと金利も良い条件で借り入れできるのでしょう。従ってあまり気にせず比較的多額をキャッシングしているのかもしれません。
「小額借入タイプ(構成比:6.2%)」
- おこづかいの補てんのために、1社から小額の借入れがあるものの、きちんと返済している。
- 20~30代の既婚男性で、専業主婦の妻と子供がいる。
- 収入は安定して高く、貯蓄比率・持ち家比率も高い。
全体の約6%ということで割合は少ないですが、おこづかい制のサラリーマンが一生懸命やりくりしている様が目に浮かびます。
専業主婦の妻と子供がいますから自分のために使えるお金はほとんどないんでしょう。そんな中でどうしても必要な時に少しだけキャッシングして、それもちゃんと遅れずに返済しているようです。
思わず応援したくなります。
タイプ別の年収や貯蓄について
世帯年収が低いのは、「生活維持借入タイプ」「多重借入タイプ」で、年収300万円未満が共に35%前後の比率を占めていた。一方、「小額借入タイプ」は、年収800万円以上の所得層が20.7%と他の借入タイプよりも高い割合を占めていた。
また、「生活維持借入タイプ」「多重借入タイプ」には、貯蓄がゼロの割合が共に30%弱と高く、反対に「小額借入タイプ」は毎月決まった額を貯蓄する割合が高く、29.0%となっていたそうです。
浮き彫りになる「収入」と「計画性」
この消費者金融の利用者タイプで見えてきたのは、タイプごとの「収入」と「計画性」の違い。
収入についてを縦軸に、計画性についてを横軸にして分類してみたのが下図です。
もっとも計画性のある「少額借入タイプ」は、倹約家で計画性もありそうですから今後将来にわたって生活も徐々にゆとりのあるものになっていきそうです。
「一時借入タイプ」と「趣味・娯楽タイプ」は、収入があるうちは良いですが、何かしらの理由で収入が減ったり、突然のトラブルに巻き込まれるなどしたら一気に不安定な生活に陥ってしまいそうです。
現状に計画性を少しプラスすれば「将来にわたるマネープラン」についてはかなり安定的なものになるでしょう。
「生活維持借入タイプ」と「多重借入タイプ」は、このままでは厳しい状況が続いてしまいそうなので、なんとか右下の領域から右上もしくは左下の領域に移れるように努力していく必要がありそうです。つまり、収入を上げるか計画性を持つということです。
もちろん両方改善するのがベストですが、まずはどちらかを上げていくのが良いでしょう。
最後に
ここでは、カードローン利用者に多い5つのタイプをご紹介しました。
「生活維持借入タイプ」
「一時借入タイプ」
「趣味・娯楽タイプ」
「多重借入タイプ」
「小額借入タイプ」
自分がどのタイプに属するのか知っておくことは何かの役に立つでしょう。中でも「生活維持借り入れタイプ」と「多重借り入れタイプ」は、そのままではいずれ生活が破綻してしまう可能性が高いので注意が必要です。早めに手を打ちましょう。
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